乳歯はいずれ生え変わるため、むし歯になっても、欠けても構わないと考えられていることがあります。確かに乳歯は学童期の終わり頃には全て生え変わる歯です。しかし、乳歯には役割があり、それを果たさないと歯列の悪化などに繋がります。

乳歯には、後から生えてくる永久歯のために場所取りをする役目があるのです。そのため、むし歯や神経の損傷によって生え変わりが遅れたり、抜歯になってしまうと、永久歯の発育に影響します。そのようにして、自然な生え変わりが出来ないと、ガタガタの歯並びになるおそれがあります。そのため、乳歯も永久歯と同じように、きちんと毎日のケアが必要なのです。

むし歯になりにくい口腔内環境づくりや矯正治療、歯周病になりにくいブラッシングなどは小さい頃から行っておくに越したことはありません。顎の骨は成長段階にあり、柔軟ですし、お口の環境やケアは習慣化すれば継続しやすいためです。
子供のうちに処置をしておけば、後々大きな症状にならずに済みます。問題が何もないと思っても数か月に一度は当院へお越しください。

まずは歯の磨き方から。
歯磨きは毎日できるむし歯予防。
しっかり磨けば、大人になっても健康な歯でいられます。
自分でむし歯の予防がしっかりできることは、理想の予防方法といえます。

歯の表面にフッ素を塗り、歯を強くすることができます。
乳歯の時期は、歯が溶けやすくむし歯の進行も早いので、1年に数回とフッ素塗布を行いむし歯の予防をしましょう。

生えたばかりの臼歯は複雑な溝を持っています。そこにお菓子やご飯の食べかすが溜まると、きちんとブラッシングをしないとむし歯の原因になります。小さいころは仕上げの歯みがきも大変ですし、奥歯の溝掃除は手間がかかります。そこで、その溝を歯科用プラスチックで埋めてむし歯予防をする処置がシーラントです。

乳歯や生えたての永久歯は組織が未熟で歯質が弱いため、むし歯になりやすい状態にあります。しかし、約3か月以内のむし歯であれば、軽い治療で済むため、3か月に1度は定期検診を受けるようにしましょう。定期検診では、歯並びや生え替わりのチェックも行います。適切な位置に生え変わるよう、乳歯を抜歯することもあります。